10年ちょっと前の9月。ブルガリアの首都ソフィアから
夜行バスでイスタンブールに向かっている時のことでした。
本当は列車で行きたかったのですが雨で不通になっており、バスしか交通手段がなかったのです。
そのバスには外国人に混じって僕の他に二人の日本人老夫婦が乗っていました。
夜半、トルコへの国境のイミグレーションで車内放送があり、
「1万ドル以上持っているヒトは申告するように」
というアナウンスを半分眠りながら聞いていました。
すると、前方に座っていた老夫婦の男性が僕のところに来て、
「今マネーという言葉が聞こえたのだが、いくらかお金を払うのでしょうか」
と聞いてきました。
それがきっかけで少し話をすると、二人は横浜に住んでいて日本の暑い夏を避けるためにソフィアでアパートを借りてひと月間だけ生活をし、これからイスタンブールに向かうとのことです。
たいしたものです。英語もほとんどわからないのに見知らぬ外国の地でアパートを借りるための交渉をし、契約してそこに暮らす。
旅の後半で疲労していたのでしょうか。僕は何故かこの老夫婦の姿に心を打たれてしまったのです。
(ああ、こんな老後の人生もあるんだな)
と思いました。
でも、ソフィアで暮らした印象を聞いてみましたが、
…
あまり快適ではなかったようでした。
前回ロングステイは退屈だ、というようなことを書きましたが、この二人のように1月単位くらいでアパートを借りながら、そこにプチ滞在し世界中を周る。そして、そこが気に入ればずっとそこで暮らせばいいし、もしかしてそこが終の棲家になりそこで人生を終わる。そんなのもいいな、と思ったのです。
一国の首都にしてはあまりに田舎なソフィアの街でした。
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