秋の北海道車中泊旅<4日目‐2>地上の星たちは羽幌に舞い降りた

この物語は、札幌在住のサラリーマンが60歳で会社を辞め、トラックの荷台に小屋を建て、脳梗塞や痛風やヒグマに行く手を阻まれながらも、世界のどこかで吹いているという伝説の「青の風」を探し求めて未知なる旅を続ける壮大なファンタジー・アドベンチャーブログである。

<にっぽんを描く15>真冬の室蘭港の夕景~北海道
  • 〈第1章〉退職へ。人生第3のステージへの幕開け(2017年4月〜6月)第一話はこちら
  • 〈第2章〉日本一周混浴温泉の旅(2017年8月~2018年9月)第一話はこちら
  • 〈第3章〉日本一周海岸線の旅(2018年9月~2019年5月)第一話はこちら
  • <番外編>2018ロシアW杯観戦の旅(2018年6月)第一話はこちら
  • 〈第4章〉真冬の北海道厳寒の旅(2020年1~2月)第一話はこちら
  • 〈第5章〉夏の北海道ソロキャンプの旅(2020年6月~9月)第一話はこちら
  • 〈第6章〉日本全国島巡りの旅〈2021年3月~8月〉第一話はこちら
  • 〈第7章〉にっぽんを描く旅〈2022年5月~〉第一話はこちら

※登場人物紹介

  1. 現役時代関係の人々
  2. 旅先で出会った人々前編後編
  3. ススキノ&僕の周辺の人々

※これが青の3号だ(冬仕様)

詳しくはこちらまで。

※当ブログはリンクフリーです。

(注)実際の行動とはタイムラグがあります。  

*「VIRTUAL 青のギャラリーpart1」はこちら

 

 

道の駅ほっと♡はぼろまで来ています。

 

怪しい誘いにホイホイと乗ってしまい、老人二人組のアジトに向かうワタクシです。

 

車で10分近く走ると、古びた一軒の家に到着しました。

玄関に入ると、金色のサッカーボールが無造作に転がっています。

毒牙にかけたサッカーファンから奪い取ったのでしょうか

・・・

部屋に入ると、スポーツ紙や一般紙、雑誌などが床一面に散らばって足の踏み場もないくらいです。

どうやらこの家で老人2人で暮らしているようです。

壁には大きなマラカナンスタジアムのポスターが貼ってあります。

*リオジャネイロの世界最大と言われているサッカースタジアム。僕が高校生の頃は36万人収容などと言われていた。

 

広い家の中の壁には所狭しと様々な写真やパネルなどが貼られています。

若き日の老人と共に写っているのは「神の手」マラドーナの父。

ソクラテスとジーコ(共に元ブラジル代表)

ベッケンバウアーとマイヤー(共に元西ドイツ代表)。

 

このヒトは

NHKの「あさイチ」に出てるヒト

・・・

ではありません。

元ブラジル代表で70年大会(メキシコ)では全試合で得点し、ペレと共に3度目の優勝を成し遂げたジャイルジーニョです。

 

ゲルト・ミュラー(元西ドイツ代表)です。

トヨタカップの前身のインターコンチネンタルカップ(南米と欧州のクラブ王者がホーム&アウエイで戦っていた)時代に、ブラジルにバイエルンミュンヘンのメンバーで来ていた時に撮ったようです(←たぶん1976年)。

 

そして、僕が崇拝しているヨハン・クライフ(元オランダ代表)です。

バルサの監督としてトヨタカップで来日した時(1992年VSサンパウロ)にホテルオークラで撮影したようです。

 

お、僕も持ってる東京五輪の切手が飾ってあります。

なぜこんなものが

・・・

この切手のモデルはオレなんだよ

・・・

うーむ

・・・

改めて

・・・

この老人はいったい何者なのでしょうか。

 

ー-----

 

現在80歳というタカハシさんは、学生時代はメイジのホッケー部で活躍し、

この切手のモデルにもなったのです。

*左が写真で右が切手。

でも、切手の右側の選手は外人選手に見えます。

オレは昔、ジョン・ウェインに似てたんだよ

と。

ホントかあ

・・・

 

大学を卒業し、何かスポーツに関わりたいと思っていたタカハシさんは、当時日本ではあまり知られていなかったワールドカップを知り、そのスケールの大きさに魅せられ、

この世界最大のスポーツの祭典をなんとか日本で開催できないかと、友人と共にブラジルに渡ったのです。

↑ワールドカップを招致するために日本人がやってきた、という記事らしい。

FIFA(国際サッカー連盟)の本部はスイスなのに、なぜブラジルなのか。

当時のFIFAの会長がブラジル人のアベランジェだったからです。

そして、新聞に載っているあのイケメンの友人こそが、家まで運転してきてくれたこの家の家主の老人なのです。

 

その後、ワールドカップ招致へ何とか突破口を開こうと、名門クラブのクルゼイロ(ちなみに今のオーナーは元ブラジル代表のロナウド)の一員となります。

この写真はあたかも選手のように写っていますが、そんなわけはなく、クルゼイロでどういう立場だったのかはよくわかりませんでした。

そして、ブラジルで人脈を築き、2年滞在した後に日本に戻り、ワールドカップ招致やプロリーグの立ち上げに関わり、

札幌ドームの建設やドームへのワールドカップの試合誘致、コンサドーレの立ち上げなどに奔走したらしいのですが、

↑札幌ドームの完成予想図らしきものを掲げている左から2番目は「白い恋人」の石屋製菓の当時社長だった石水さん。

・・・

それらのプロジェクトにどのような形で関わったのか

・・・

最後までよくわかりませんでした。

 

しかし、そんなことはどうでもいいことなのかもしれません。

Jリーグを立ち上げたのも別に川淵三郎一人だけでやったわけではありません。

それこそ何百、何千という人たちが関わっているはずです。

まさに中島みゆきの「地上の星」です。

ヒトは空ばかりを見ていて地上にある星には誰も気づかないのです。

関わった人たち一人ひとりの心の中で

オレがやったんだ

と思っていればいいのです。

きっとこの老人も、

風の中のスバルであり、

草原のベガサスなのでしょう。

 

 

二人でさんざん酒を飲み、

酒をまったく飲まない友人は寝てしまったので帰りは歩きです。

一人で帰れると言ったのですが、

送ってくよ

と。

二人で夜の羽幌の街をてくてくと歩きながら帰ります。

元気です。

僕は歩くのが早いのですが、余裕ですたすたと着いてきます。

とても80とは思えません。

いまカズとドリブル勝負しても負けねーと思うぞ

と言ってましたが

・・・

毎日トレーニングは欠かさないそうです。

 

そして、道の駅で別れます。

さらばです。

いつまでも元気でいてください。

 

青の中に入り、

そろそろ寝ることにします。

いつもより2時間も遅くなってしまいました。

羽織っていたジャンパーを脱ぎ

・・・

あれ?

なんじゃあ、この服は!

確か、ここを出る時には日本代表のシャツを着ていったはずですが

・・・

なぜこんなのを着とる

・・・

そーだ。

部屋に飾ってあったラツィオ(イタリアのサッカーチーム)のユニフォームと僕の代表シャツを交換したのでした。

僕のはamazonで買ったニセモノですが、

これは、シニョーリ(元イタリア代表でラツィオ時代にセリエAの得点王になった)

から貰ったラツィオ創設100周年記念のユニフォームとかなんとか言ってたような

・・・

良く見るとこんなのが付いてます。

*ラツイオは1900年創設。

ラツィオとなんか関係があったんですか

と聞くと、

ありゃ俺と同じでマフィアなんだよ

と言ってましたが

・・・

どこまでもナゾの老人です。

 

横になって、道の駅で出会った時に撮った写真を眺めます。

昔はジョン・ウェイン似てたんだよ

・・・

あの時は完全に疑っていたのですが、

後年のジョン・ウエインの写真をみると

・・・

似てます。

いい笑顔です。

 

〈お詫び〉

次回予告で「謎のオンナの登場」を匂わせていたのですが

・・・

登場人物が男3人だけだとつまらないので期待を込めて書いたのですが、結局最後まで現れませんでした。

謹んでお詫びいたします。

でも、「神の手」は出てきたでしょ、ちゃんと。

 

 

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6件のコメント

  1. むーちん師匠
    市井にはとんでもない御仁が眠っているんですね。まあ、人生を徹底的にしゃれのめしている師匠もすごいですが、そういう人たちとサラッと話が出来ることの師匠の幅とか、まあ会話の内容は多分圧倒的なんでしょうが、リーマン稼業で廻りと合わせる趣味程度で生きてきた自分にとって想像もできません。横で聞いていると分からないことの方が多いかも知れませんがとても楽しそうで飽きることがないでしょうね。その内、むーちん師匠が津軽海峡を戻らなかった人生の話も伺ってみたいです。もうすぐ 拝

  2. 初めまして。去年から毎日拝読しては、一人で笑ったり、しんみりしたり・・・。大好きなブログです。今日は又、とても愉快な素敵な御文章で、眠る前にもう一度拝読しました。有難うございました。

  3. ヒトは空ばかりを見ていて
    地上にある星には誰も気づかないのです。
    きっとこの老人も
    風の中のスバルであり、草原のベガサスなのでしょう。
    むーちんさん ここしみるな~!

  4. 時空を越え、ここで御拝顔できるとは
    高橋元理事
    感涙にむせび泣いております。
    ご友人は青木会長と推察いたします。

    無沈艦殿
    ありがとうございます。
    拙者 病のため この場を借り 御礼申し上げます。

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